国際看護師になるには?求められる英語力や働く方法を紹介|医療・医学英語・医療英会話のオンラインスクールMDメディコム

コラム

国際看護師になるには?求められる英語力や働く方法を紹介

国際看護師になるには?求められる英語力や働く方法を紹介

世界のさまざまな国で活躍している国際看護師。

日本国内だけでなく海外に出て活躍したい方、英語が得意な方、キャリアアップしたい方、世界で起こっていることを自身の目で見てみたい方などにおすすめの働き方です。

しかし、国際看護師に興味があっても「どうやって働いたらいいのか」「自分に向いているのか」など、不安に思うこともあるかもしれません。

この記事では、国際看護師になる方法や働き方、メリットや向いている人の特徴などを紹介します。

国際看護師とは

国際看護師とは

国際看護師とは、海外で活動する看護師のことです。

日本看護協会は国際看護師協会に加盟しており、積極的に活動を行っています。また、国際看護師として海外で働く役割は、主に「国際ボランティアで働く」と「海外で看護師として働く」の2つです。

国際看護師に求められる英語力

国際看護師に求められる英語力は、活躍の場によって異なります。

例えば、国際ボランティアとして働く場合は英語力を不問とするところもあれば、中学レベルや業務に支障のない英語力が必要となる団体もあります。

一方で、海外就職して看護師として働く場合は、各国の看護師資格をパスする必要があるため、高い英語力が必要となるケースがほとんどです。

国際看護師になるには?

 

国際看護師という専門の資格はなく、これは国際社会で働く看護師の名称です。ここでは、国際看護師になる方法を紹介します。

国際医療ボランティア

国際看護師になるには、国際医療ボランティアとして働くことが方法の一つです。

さまざまな団体が看護師を海外に派遣しており、団体に所属することで国際医療ボランティアとして働くことができます。

ボランティアであるため、日本で取得した看護師資格をそのまま活かせることがメリットです。

看護留学

国際看護師になるために、看護留学を行うという選択肢もあります。

この場合は日本で看護師資格を取得するか、現地で看護師取得を目指す方法があるため、海外でずっと働きたいという気持ちがある場合は、それも踏まえて留学先を選びましょう。

国によっては、海外で看護師資格を取得すると永住権を申請できるところもあります。

海外で看護師資格を取得

国際看護師になるために、海外で看護師資格を取得するという方法もあります。

海外では国ごとに看護師資格制度が設けられており、日本で取得した資格は使えないため、海外の医療機関に勤めるためには新たに看護師資格を取得しなければいけません。

国によって看護師資格の取得方法は異なるため、働きたい国がある場合は事前に試験内容を確認しておく必要があります。

海外研修がある病院に就職

海外研修がある病院に勤めることで、国際看護師として働くことができます。

このケースだと仕事というよりも学習がメインになりますが、国際看護師としての働き方を体験できるため、留学やボランティアの準備段階として経験してみるのもよいでしょう。

また、研修費用は病院側で負担することが多く、コストがかかりにくいメリットもあります。

海外インターンに参加

海外インターンは、現地の医療機関で看護師や看護助手として働くための研修を受けることで、国際看護師として働く際に必要な資格や語学習得、実習をまとめて行えることがメリットです。

日本での看護師資格や経験を活かし、現地でアシスタントナースとして経験が積めます。有給インターンなら、給料をもらいながら研修が受けられます。

国際医療ボランティアで国際看護師として働く方法

 

国際看護師として働く場合に、まずはボランティアからスタートするという方も多くいます。ここでは、国際医療ボランティアで国際看護師として働く方法を紹介します。

ジャパンハート

ジャパンハートは、国内外への医療協力を目的とした日本国内のNPOによる活動です。

海外への医療支援活動の対象となるのは主にアジア諸国であり、自然災害の被災地や医療体制が整っていない場所が中心となります。

現地の派遣期間は数日から1週間ほどで、語学力不問のケースも多いです。応募するためには看護師資格のほか、臨床経験が3年目以上であることが条件となります。

なお、参加費や渡航費は自身で用意しなければいけません。

JICA(青年海外協力隊)

JICAは青年海外協力隊と呼ばれる組織で、独立行政法人国際協力機構が運営している海外ボランティア派遣制度です。

現地の病院や保健センターで医療事故防止や感染対策などの医療業務をはじめ、看護技術の向上や改善を図ることなどが活動内容となります。

青年海外協力隊として働く条件は以下の通りです。

  • 3年以上の臨床経験
  • 中学基礎程度の英語力
  • 原則2年間の赴任

派遣先までの渡航費や、生活費・住居費などはJICAが負担します。

国境なき医師団

国境なき医師団は、医療や人道的援助活動を行う民間の非営利団体で、アフリカやアジア、中東、中南米を中心に世界70か国以上で活動しています。

活動内容は紛争や自然災害、難民、感染症などの問題がある地域で、診察や治療、予防接種、メンタルケアなどを行います

国境なき医師団として働く条件は以下の通りです。

  • 3年以上の臨床経験
  • 1年以上の感染管理の経験
  • マネジメントや教育経験
  • 看護師としての業務や指導、教育ができるだけの語学力

渡航費や宿泊費など、海外派遣にかかる費用はすべて団体が負担し、給料も発生します。

世界の医師団

世界の医師団は、世界73か国、370を超えるカリキュラムを実施する国際医療団体で、日本はアジアの拠点として日本人ボランティアを多く派遣しています。

活動内容は、自然災害や紛争、貧困などで医療不足に苦しむ人々に対し、人道医療支援を行うこと。世界の医師団として働く条件は以下の通りです。

  • 2年以上の臨床試験
  • 最低3ヵ月、原則として5~6か月ボランティアとして参加
  • 現地での業務遂行ができるレベルの語学力

ボランティアとして参加する場合は、渡航費や現地の食費、宿泊費などは団体が負担します。

プロジェクトアブロード

プロジェクトアブロードはイギリスで誕生した海外ボランティア・インターシップ派遣団体で、参加対象者は高校生からシニアまで幅広いという特徴があります。

視察で終わる海外ボランティアツアーではなく、実践的なカリキュラムが組まれています。

視察やワークショップが中心であるため、将来国際看護師として働きたい方や短期間で海外の医療現場を見学したい方に最適です。

コミュニケーションはすべて英語になるため、会話ができる程度の英語力は必要となります。費用は1週間で20万円前後かかりますが、現地の宿泊費や食費などは含まれます。

海外で国際看護師として働く方法

海外で国際看護師として働く方法

海外で国際看護師として働くなら、どの国に渡航するかがポイントです。ここでは、日本人の国際看護師が主に活躍している国で働く方法を紹介します。

アメリカ

アメリカで国際看護師として働くには、日本の看護師資格がある場合はNCLEXという国家試験の受験が必要です。

NCLEX受験のためには、働きたい州の看護協会に受験申請を出し、CGFNSへの申請や審査を受けなければいけません。

日本の看護師資格がない場合は、現地アメリカで短大や大学に進学や編入する必要があります。国家試験は制限時間6時間、最高265問で、出題される難易度も高いです。

カナダ

カナダで国際看護師として働くためには、日本の看護師資格がある場合はNNASの審査に合格しなければなりません。

さらに英語力テスト結果の提出も必要で、書類としてIELTSの結果も認められていますが、スコアは7.0と高い英語力が求められます。

日本の看護師資格がない場合は大学に進学し、看護師の学士を取る必要があります。

イギリス

イギリスで国際看護師として働くためには、看護師免許だけでなく学士を有していることも必須であり、NMCへの登録が必要です。

また、実務経験が500時間あることも条件であり、学士を持っていない場合はイギリスの大学を卒業しなければなりません。英語はIELTS7.0相当、OETならB以上のスキルが必要です。

オーストラリア

オーストラリアで国際看護師として働くためには、国が管轄している看護協会への登録が必須です。

学位や看護師資格の有無、英語力によって看護師として働くプランが変わります。このうち、英語力はIELTS7.0、TOIECなら870~970点、英検なら1級と高いスキルが必要です。

国際看護師として働くメリット

国際看護師として働くメリット

ここでは、国際看護師として働くメリットを紹介します。

視野や価値観を広げられる

国際看護師として働くメリットは、日本とは違う文化や環境の中で働くことにより、視野や価値観を広げられることです。

日本では当たり前だと思っていたことが海外では常識ではないことも多く、看護や医療に対する考え方も異なります。

国際看護師として働くことで、日本の社会や文化について考え直すきっかけにもなるでしょう。

海外で身につけた知識・経験を日本でも活かせる

海外で働く看護師として身につけた知識や経験は、日本に帰国した後も活かせます。

近年、日本の医療機関では外国人患者の受け入れ態勢を進めているため、海外で実績のある看護師は貴重な人材です。

日本語が話せない外国人患者に対し、適切な対応で看護できることは強みとなります。

国によっては収入アップを目指せる

国によっては、国際看護師として働くことで収入アップを目指せることもあります。

特にアメリカやオーストラリアは高収入で知られており、日本で働くよりも大きな収入が期待できるでしょう。しかし、現地での物価も高いため、生活費とのバランスを考える必要があります。

国際看護師に向いている人

日本と海外では看護師に向いている人にも違いがあります。ここでは、国際看護師に向いている人の特徴を紹介します。

多様な背景や価値観を尊重できる人

国際看護師に向いている人は、多様な背景や価値観を尊重し、自身や自国と異なる考え方にも寄り添える人です。

言葉の壁がある中で患者と信頼関係を築いていくためには、相手の気持ちや考え方を受け入れる姿勢が必要になります。

また、患者だけでなく同じ環境で働くスタッフや医師とも、互いの考え方や意見を尊重することが大切です。

円滑にコミュニケーションを進められる人

国際看護師に向いている人は、どんな人とも円滑にコミュニケーションを進められる人です。

海外は日本と異なり、思ったことをストレートに言葉にして伝える文化があり、日本のように謙虚すぎる対応を行うと不快に思われる場合もあります。

「できる」「できない」をはっきり伝えることが、海外で円滑にコミュニケーションを取るためには欠かせません。

マネジメント力・リーダーシップがある人

国によっては、国際看護師として看護助手や准看護師の統括を行い、看護業務を進める必要があります。立場によっては、現地の医療関係者に対して教育や研修を行う役割を担うこともあるでしょう。

多くの医療関係者を指示する立場になった場合は、マネジメント力がなければチームはまとまりません。

また、医療チームに属している場合だとチームの一員として自発的な行動を取ることも多く、そのためにはリーダシップが欠かせません。

まとめ

この記事では、国際看護師になる方法や求められる英語力、働き方などを紹介しました。国際看護師という職業はなく、看護師として海外で働いた場合に国際看護師と呼ばれます。

国際看護師として働くことで、価値観が広がったり、日本に帰ってきたときに経験や知識を役立てたりできるメリットがあります。

一方で、国際看護師として働くためには英語力が必要です。国によっては英語力に基準が定められているため、まずは英語のスキルを身につける必要があります。

MDメディコムは、エリートネイティブ米国医師による直接添削指導が受けられる医療英語オンライン英会話スクールです。

医学内容の誤訳の回避や医療特有の表現、医療者としての表現法などを学ぶことができるため、国際看護師を目指す方や興味を持っている方も正しい英語のスキルが身につきます。

無料相談も受け付けていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。